日本人はアメリカで差別されているのか。ニューヨークでの人種差別のリアル

異文化・英語

こんにちは、ヒュー・マナハタ(@HughManahata)です。

日本に住んでいる皆さんはあまり人種差別に馴染みがないと思います。

日本の人口の9割以上は日本人ですし、海外旅行に行っても観光地ではお客さん扱いなので露骨に差別されることも少ない。

「じゃあ実際日本人はアメリカで差別されているの?」と気になる方のために、ニューヨークでの差別のリアルを書いていきたいと思います。

差別は確実に存在する

結論から言うと、差別は確実にあります。ただし表面的には差別が禁止されていることもあり、見えづらいレベルで存在していることの方が多い。

表面的な差別(例えばアジア人への蔑称で呼んでくるようなくだらない差別)をしてくるのは、ほとんどは貧しい地域出身の教育水準の低い人たちなので、僕はそういう差別を受けても「あーはいはい、またね」と全く気にも留めません。

さすがにNYに移住した当初はショックで怒ったり言い返したりもしましたが、そんなヤツを相手にして自分の貴重な時間を無駄にしているヒマはないので、そのうち全く気にならなくなりました。

おかげでスルースキルはかなり鍛えられましたね。

そういうくだらない差別は大体年に数回あるかないか程度で、場所的には地下鉄や「プロジェクト」と呼ばれる低所得者用団地の近くを歩いてる時が多い気がします(注:NYに限らずアメリカは地域によってストリート1本隔てただけで一気に治安が悪化することもあるため注意が必要)。

まあ2014年ごろUber(Eatsの方ではなく、配車サービスの方。アメリカでUberと言ったら普通は配車サービスのことを指す)がメジャーになってからはNYで地下鉄に全く乗らなくなったこともあり、近年はめっきり減ったんですが。

ちなみに低所得者用団地である「プロジェクト」は、築年数も古くいかにも荒れているので、再開発が進む高級エリアにいきなりポツンとあったりしてちょっとギョッとします。

そして「プロジェクト」に住んでいるのは大抵黒人やヒスパニック(中南米系)で、白人はほとんど住んでいません。このこと自体が過去の差別の名残でもあります。

ジャップ(Jap)と呼ばれることはまずない

日本人の皆さんには意外かもしれませんが、アメリカで日本人に向かってジャップと言ってくる人はまずいません。

なぜならほとんどのアメリカ人には「アジア人」が日本人なのか中国人なのか韓国人なのかなど到底見分けがつかないからです。

日本人にとっての超大国アメリカの存在感と、アメリカにおける日本の存在感には天と地ほどの差があります。

ズバリ日本人男性は外国人(白人)女性にモテるのか?4つの理由を解説にも書いた通り、海外では「アジア人」がどこの国出身なのかなど全く意識されないのです。

これは日本人が白人を見かけても「外国人(白人)」としか思わないのと同じ、彼らがイタリア人なのかドイツ人なのか全く意識しないようなものです。

そのため「アジア人」を見かけても誰も「日本人」かどうかなど意識することはまず無く単純に「アジア人」というくくりで一緒くたに扱われます。

普段アジア人は人数と存在感の大きい中国人として扱われる場合が多いため、蔑称で呼ばれる時は「チャイナマン(Chinaman)」 とか「チンチョン、リンロン」などの中国語を真似た感じの声をかけられたり、「ニーハオ、ニーハオ」とバカにしたように呼びかけられたりします。

蔑称で呼ばれるよりも厄介な差別

前述の通り、僕はたとえアジア人に対する蔑称で呼ばれても全く気になりません。それよりも厄介なのは、表面的にはわかりづらい差別です。

僕は白人の女の子と付き合うことが非常に多いため、その子の友達が開いたパーティなんかに行ったりすると、必然的に参加者全員が白人でアジア人は僕一人だけ、みたいな超アウェイなシチュエーションに遭遇することがあります。

そういうパーティに来ている人が、僕が付き合っている女の子(白人)に対してはものすごくフレンドリーに接するのに、僕が話すとこちらを見もせず丸無視したり「あっそう」みたいにいかにも素っ気ない返答やイライラした態度で「あなたには興味がない、あっちに行ってろ」的なオーラを露骨に出してくる人がいる。

これは特に白人の女の子に多い気がします。

白人の男性はわざわざ仲間はずれにするような真似はせず、まあ多少イロモノ扱いだとしても一応は輪に加えようとしてくれたり、話かけてくれる人も結構います(もちろん例外もたくさんあります)。

こういう差別は単純に僕自身を嫌っているのか、それとも「アジア人は白人社会の中に入ってくるな」と嫌っているのかが外側から見ただけではわからないため、蔑称で呼ばれるよりもタチの悪い差別と言えます。

ここでは主に「白人ばかりでつるむことを好む一部の白人」についてのみ話しているのであり、日常で出会う白人はフレンドリーでいい人が多いです。

悪気のない差別

本人に悪気がなくても、結果的に差別になってしまうこともあります。

僕の元妻は北欧系アメリカ人だったので当然彼女の家族や親戚は全員白人なわけですが、結婚後に初めて挨拶しに行った時、

「アメリカに引っ越してくるだなんて、あなたが生まれ育ったところ(貧しい国と思っている)とは大違いで、びっくりでしょう?」

みたいな質問を特に初老以上の年齢の人たちにしょっちゅうされました。

つまり平均的な初老のアメリカ人にとって、アジア人は今でも「貧しい国からチャンスを掴みにやってきた移民」というイメージが大半を占めるわけです。

事実彼らの唯一ともいえるアジア人の知り合いは「近所で中華料理店を営む中国からの移民一家」「地元の工場で作業員をしているベトナムからの移民一家」などしかいません。

当然向こうに悪気があるわけではありませんが、思い込みによって結果的に差別となってしまっている例です。

それ以外にもインターネットの配線工事にきたおっちゃんがいきなり「新年おめでとう!」とか言い出して何かと思ったら、ちょうどその時旧正月でおっちゃんは「アジア人は全員旧正月を祝っている」と思い込んでいたらしい。

これも今となっては全く気にも留めないような小事なんですが、当時は人生で初めて差別に遭遇した時期で、ピリピリしてたので少しムッとしてしまいましたね。

職場での差別は?

このように普通に暮らしていれば色々な人がいるので差別を受けたりすることはありますが、逆にウォール街時代の職場で差別を受けたことは全くありませんでした。

これはひとえにアメリカの会社(特に上場企業)がセクハラや人種差別を含む嫌がらせに対してメチャクチャ厳しいからです。

このご時世に職場で人種差別なんてしようものなら、クビが飛ぶのは当然の上、訴訟を起こされてもおかしくありません。

「従業員は多様性を尊重し、セクハラやあらゆる差別を含む嫌がらせを行なってはならない」といった会社のガイドラインへの同意のサインをさせられますし、定期的にセクハラやパワハラ、各種差別を未然に防ぐためのトレーニングや講習をしつこいほど何度も受けさせられます。

こうしたプログラムや講習をしっかり受けたことをHR(=人事部)が承認しなければ、その会社で働き続ける事はできません。

さらにどんな些細な嫌がらせ(本人の望まないあだ名やその人のモノマネすら禁じられている)でも受けた場合、気軽に報告できる体制が整っています。

報告は担当の部署により適切に審議・処理され、当該従業員への注意勧告(数回受けたらクビ、ひどい場合は一発でクビ)が速やかに行われるのです。

そして「チクりやがって」という復讐すらも禁止が明文化されているため、二度目に嫌がらせが起こった場合には相当厳しい処置が取られます。

なぜこんなに厳しいかというと、アメリカではこういうポリシーをしっかりと規定し、効果的に運用していないと法律違反になるため当局からペナルティが課されたり、最悪の場合「セクハラやパワハラを許す環境を改善しなかった」と訴えられて巨額の賠償金を支払わなくてはならないからです。

ただ僕の勤めていた会社は上場企業だったため厳しかったので、中小企業や非上場企業(および一部の業界など)であればアメリカでもまだまだセクハラや嫌がらせは存在しています。

昨今の#metooブームを見ればセクハラは根絶からは程遠いことがわかりますね。

最後に

最後に少しだけ触れておきたいのが、果たして人種が原因で恋愛対象から外れることはあるのかということ。

これは普通にあるのでそうとしか言えません。ただ日本人の女の子でも外国人が絶対無理という人は一定数いるでしょうし、差別ではなく個人の好みですね。

でも「アジア人だけは絶対に無理」という白人女性は意外と少ないと思います。個人的には人種が障害になったことはほとんどないので、あまり気にする必要はないでしょう。

アメリカ文化やニューヨークについてもっと知りたい方は異文化コラムのその他の記事も参照してください。

以上、日本人はアメリカで差別されているのか。ニューヨークでの人種差別のリアルでした。


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